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今回は年金科目の財政について…
年金の財政は、一定期間の総収入と総支出とが相等しくなるように、いわゆる“収支相等の原則”が成立しなければなりません。短期間でバランスが崩れるようでは成り立ちませんよね。そのためにどのように運営していくかという、2つの財政方式があります。
ここでは国民年金の財政方式と、制度の推移を解説しています。
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年金の財政方式は2種類ある
公的年金の制度は、長期にわたり財政のバランスが取れるように運営していかなければなりません。このとき、どのように年金制度を運営していくか、という財政方式があります。
年金の財政方式…ご存知でしょうか。
財政方式というのは、年金制度において、将来支給することになる年金・一時金などの財源を、どのように準備するか、掛金をどのようにして定めて、どの程度の積立てを行っていくかを決める基本となる考え方を言います。
この財政方式ですが、大きく2つの方式があります。
①給付が発生するつどそれに見合う掛金を課する賦課方式
②給付財源を事前に積み立てる事前積立方式
公的年金では①の賦課方式が用いられ、企業年金では②の事前積立方式が用いられています。
つまり、受給者に年金を支払うために必要な財源を用意するための方法が異なります。
賦課方式について
賦課方式は、年金支給のために必要な財源を保険料収入から用意する方式です。一定期間の年金給付に必要な費用を、現役世代の被保険者等が納める保険料等で賄う方式です。「世代間扶養」ですね。給付費を現役世代の保険料等で賄う方式です。現役世代が高齢になって年金を受給する頃には、子どもなどその下の世代が納めた保険料から自分の年金を受け取ることになります。厚生労働省のサイトにわかりやすい図がありましたので引用させてもらいます。↓↓
(出典:厚生労働省)
積立方式について
積立方式は、将来自分が年金給付を受けるために、保険料であらかじめ現役世代の間に積み立てておく方式です。将来の年金給付は納付した保険料(元本)とその運用益で賄う方式です。こちらも厚生労働省より↓↓
(出典:厚生労働省)
国民年金は賦課?積立?過去に出題実績あり
国民年金制度ですが、制度が出来上がった当初は、ほぼ完全に近い「積立方式」を採用して財政の運営を行っていました。
昭和41年・44年・48年に法改正があり、給付額が大幅に引き上げられて、その上被保険者が今後負担する保険料については、大幅に引き上げを避けていました。
新規加入者が負担できる水準の保険料に抑えて、その後、段階的に保険料の引き上げを行うことになったことから、国民年金制度は賦課方式による運営が徐々に強まってきました。
そしてその後、国民年金の財政は、年金給付に必要な費用を、被保険者が納付する保険料で賄われる部分が拡大していき、基礎年金制度の導入を含め年金制度全体が「世代間扶養」になってきました。
現在は、ある程度の積立金を有し、積立方式の要素を持ちつつも、賦課方式を基本とした財政方式になっています。
この点については、過去の論点にされたことがあります。
国民年金法の選択式で出題実績がありますので、細かいところまでは覚えなくても、ざっくりと経緯は確認しておきましょう。
財政方式のまとめ
ということで、財政方式についても出題実績があるのでまとめて確認しておきましょう。
財政方式は2種類あり、
保険料を、そのときの年金受給者への支払いに充てるのが「賦課方式」
保険料を、自分が将来受け取る年金として積み立てておくのが「積立方式」
の2つがあります。
この点は最低限チェックしておきましょう。