本記事はプロモーションを含みます
第52回(令和2年度)の社労士試験について…
ここでは「労働基準法・労働安全衛生法」の選択式について、予想解答・レベル・解答方法などについて解説しています。
「労基・労衛」選択式の総レベルとしては、普通~やや難しいといった感じかと…判例もあったので苦戦した方もいるかもしれません。
スポンサーリンク
【第52回】労働基準法・労働安全衛生法 選択式
労働基準法・労働安全衛生法の選択式問題の予想解答・レベルです。
全体的なレベルとしては、普通~やや難しいといったレベルかと思います。
AとDは基本問題なので確実に取り、その他の問題で最低1点は確保したいところです。
それぞれ解説していきます。
【 A 】欄について
難易度:易しい
正解 :⑬
使用者は、常時 10 人以上の労働者を就業させる事業、厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業の附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合においては、労働基準法第 96 条の規定に基づいて発する厚生労働省令で定める危害防止等に関する基準に従い定めた計画を、【 A 】 に、行政官庁に届け出なければならない。
前後の文脈から、いつまでに届出という問題が分かります。
よって、候補としては以下の4つから
⑪工事着手後 1 週間を経過するまで
⑫工事着手 30 日前まで
⑬工事着手 14 日前まで
⑭工事着手日まで
特に基本的な問題ですので、学習していれば、⑬工事着手 14 日前まで になります。
【 B C 】欄について
難易度:やや難しい
判例(旭紙業事件)からの出題です。判例はここ最近労基の選択で出題されています。B・Cと同文からの出題ですので同時に解説します。
最高裁判所は、自己の所有するトラックを持ち込んで特定の会社の製品の運送業務に従事していた運転手が、労働基準法上の労働者に当たるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。
「上告人は、業務用機材であるトラックを所有し、自己の危険と計算の下に運送業務に従事していたものである上、F紙業は、運送という業務の性質上当然に必要とされる運送物品、運送先及び納入時刻の指示をしていた以外には、上告人の業務の遂行に関し、特段の指揮監督を行っていたとはいえず、【 B 】の程度も、一般の従業員と比較してはるかに緩やかであり、上告人がF紙業の指揮監督の下で労務を提供していたと評価するには足りないものといわざるを得ない。
そして、【 C 】等についてみても、上告人が労働基準法上の労働者に該当すると解するのを相当とする事情はない。
そうであれば、上告人は、専属的にF紙業の製品の運送業務に携わっており、同社の運送係の指示を拒否する自由はなかったこと、毎日の始業時刻及び終業時刻は、右運送係の指示内容のいかんによって事実上決定されることになること、右運賃表に定められた運賃は、トラック協会が定める運賃表による運送料よりも1割5分低い額とされていたことなど原審が適法に確定したその余の事実関係を考慮しても、上告人は、労働基準法上の労働者ということはできず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。」
文章にある事件の概要としては、自己所有のトラックを持ち込んで会社と請負契約を締結した運転手が、会社の指示に従って業務作業中に負傷した。運転手は、労災による支給を労働基準監督署に請求したがは該当しないとして認められなかった。運転手は不服として処分の取り消しを求めて訴えた事件。判決としては運転手が敗訴。
更に要点を絞ると、
●労働基準法上の労働者に当たるか否か
●労働基準法上の労働者ということはできず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しない
つまり、労働者に該当するかの裁判だったが結果は認定されなかったという事件です。
この労働者として認定されなかった点が大きなポイントです。
【 B 】欄
正解 :⑯
“”上告人の業務の遂行に関し、特段の指揮監督を行っていたとはいえず、【 B 】の程度も、一般の従業員と比較してはるかに緩やか””
選択肢としては、以下の4つが候補になります。
⑨業務遂行条件の変更
⑩業務量、時間外労働
⑯時間的、場所的な拘束
⑲制裁、懲戒処分
まず、「一般の従業員と比較して穏やか」なので、⑨業務遂行条件の変更は文章として合いません。⑩については、時間外労働は労働者に該当しないので「時間外」は合いません。更に、⑲も労働者でないので合いません。
そうなると、最も合うのが⑯「時間的、場所的な拘束」となります。ややこしい問題は除外していけば解答できる可能性があります。
【 C 】欄
正解 :⑳
“”【 C 】等についてみても、上告人が労働基準法上の労働者に該当すると解するのを相当とする事情はない。””
C欄は結構ムズイですね。
労働者として~事情はないとなるように、「労働者」として合わないものが入ります。
候補としては、
⑮公租公課の負担、F紙業が必要経費を負担していた事実
⑰事業組織への組入れ、F紙業が必要経費を負担していた事実
⑱事業組織への組入れ、報酬の支払方法
⑳報酬の支払方法、公租公課の負担
⑮・⑰・⑱の「必要経費を負担していた事実」や「事業組織への組み入れ」の有無に関わらず、労働者性がある・ないに結び付くものではないと判断します。
そうなると、⑳にある「報酬の支払い方法」「公租公課の負担」は、労働者性に馴染まない処理も可能なので⑳が正解かと。
B・Cは比較的難しいですが、選択肢を洗い出し、一つひとつ読んで文脈と整合性が取れるかを考える必要があります。
【 D 】欄について
難易度:易しい
正解 :⑦
事業者は、労働者を本邦外の地域に【 D 】 以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、労働安全衛生規則第 44 条第 1 項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
前後の文脈より、地域にいつまで以上派遣するときは健康診断が必要という問いであることが分かります。Aとは違い、工事に関することではないので、候補としては月・年という感じです。
⑤1 月
⑥3 月
⑦6 月
⑧1 年
Aと同様に基本的な問題なので、⑦の6月となります。
【 E 】欄について
難易度:難しい
正解 :③
事業者は、高さ又は深さが【 E】 メートルを超える箇所で作業を行うときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降するための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難なときは、この限りでない。
空欄の後のメートルから数字であることが分かります。ただ、これを知っているかどうか…労働安全衛生法は数字が多いため、混乱した方も多いかと思います。
①0.7
②1
③1.5
④2
安全のための設備なので、分からない場合は想像力を働かせ、仮に2メートルだと大半は身長を超え、0.7メートルだと低すぎると分かります。1メートルもやや低いと考えると、一般的な身長よりやや低いイメージで1.5メートルと絞り込むのが可能です。
基準点引き下げ※救済について
基準点引き下げの救済の可能性ですが、BとCの判例問題の正答状況、Eも難問であったため救済の可能性があり得るかと思います。
12社の解答予想を比較しても、基準点引き下げの救済可能性を予想しているところがあります。
ただ、平均的にみると、可能性としてはやや低めかと思います。
まとめ AとDはマスト!
AとDは基本的な問題なのでマストでとっておきたいところです。
これで2点確保し、あとはB・C・Eで1点取れるか…
Eはこれまで出題実績もなく、多くの受験生が知らない知識であると思います。つまり比較的難問…
B・Cは判例問題ですが、できればBは取りたいところです。
仮にEが不正解だとしても、BもしくはCのどちらかで1点をとり、総合計で3点取ればクリアかと…
判例は長文なのでパニックになりがちですが、落ち着いて考えれば解答ができるレベルです。
注意点
・解答に関する質問は受け付けておりませんのでご了承ください。
・転載・画像のコピー・使用はお断りしております。
高い合格率を誇るフォーサイトでは2021年度社労士試験講開講中
お得な割引実施中 最大35%オフ・52,800円オフ
詳しい内容は公式サイトへ↓↓