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「労働者災害補償保険法(労災保険)」に含まれる法令の中で、第52回(令和2年)社労士試験の対象となる法改正があります。
法改正は毎年出題率が高いため、改正箇所をチェックして学習しておきましょう。
労災保険法は、いわゆる公的保険の一種で、業務中や通勤中に起こったケガや病気になった時の保険です。元々労働基準法に規定されている事業主の災害補償義務を肩代わりするために作られています。
社労士科目でまず最初の保険科目です。公的保険の基本的なシステムを理解することが重要です。
簡単にですが、ここでは「労働者災害補償保険法(労災保険)法」に関連する法改正部分をザックリと紹介しています。
細かい学習は手持ちの教材で(‘ω’)ノ
目次
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2020年度試験【労働者災害補償保険法(労災保険)】の主な法改正事項
時効の中断が「完成猶予・更新」に改正
時間民法上で、「時効の中断」が「時効の完成猶予・更新」に改正されたことにより、社労士試験の出題範囲でも影響があります。
審査請求(裁判上の請求みなし)は、完全猶予及び更新の二段階に置き換えられ、権利が確定するまで「完成猶予」、権利確定後は「更新」
徴収金の納入告知や督促についても、時効の「更新」に置き換え
時効の起算点・法定利率
時効の起算点は、民法上で客観的起算点と主観的起算点に分けられることに伴って、「労災保険法及び徴収法の時効の起算点が客観的起算点である」旨明示するとあります。
また、法定利率が年五分の固定制から変動制となることに伴い、労災保険法の保険給付と民法その他の法律に基づく損害賠償請求権との併給調整の際に用いる法定利率については、「損害の発生時点の法定利率」を用いる旨明示するとあります。
時効「これらを行使することができる時から」
時効の規定に関して、「これらを行使することができる時から」が追加されました。
療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、療養給付、休業給付、葬祭給付、介護給付、二次健康診断等給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したとき、
障害補償給付、遺族補償給付、遺族給付及び遺族給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から5年を経過したと時効により消滅
障害(補償)年金・傷病(補償)年金の定期報告
障害(補償)年金及び、傷病(補償)年金の定期報告等の見直しがありました。
受給条件の変動状況等を的確に把握し、適正な給付を図るために受給資格者の定期報告が実施されています。
マイナンバーを利用した情報連携により受給関係情報がオンライン照会により確認可能となったことから、必要な情報を取得できる者についての定期報告が廃止されました。
傷病(補償)年金の受給者は、定期報告時に、負傷又は疾病による障害の状態に関する医師又は歯科医師の診断書の添付が必要でしたが、レセプト審査で把握することができるため添付が不要となりました。
給付基礎日額の最低保証額の変更
給付基礎日額の最低保障額(自動変更対象額)が、
3,950円 ⇒ 3,970円に変更されました。
労災保険制度の”給付基礎日額”は、原則として労働基準法第12条に規定する平均賃金に相当する額ですが、災害や被災時等の事情によって給付基礎日額が極端に低い場合を是正し、補償の実効性を確保するため最低保障額である自動変更対象額を定めることとしています。
3,970円への改定は、令和元年8月1日から適用です。
介護(補償)給付の最高限度額・最低保障額の改定
介護(補償)給付については、平成29年度に実施した「労災保険制度における介護(補償)給付に関する状況調査」において、現在の最高限度額では費用をまかなえない人が相当数いることが明らかになったこと等から、
最高限度額については、特別養護老人ホームの介護職員の平均基本給を参考に、
最低保障額については最低賃金の全国加重平均を参考にして見直すこととしています。
前払一時金等の利率が改定
利率が100分の5から、算定事由発生日の法定利率に改定されました。
労災労災年金の受給者が、障害補償前払一時金、遺族補償前払一時金、障害年金前払一時金、遺族年金前払一時金の場合、支給額から中間利息を控除して算定した額の合計が、前払一時金の額に届くまで年金を支給停止することになっています。中間利息は、法定利率の100分の5と規定、損害賠償との調整の暫定措置における年金給付の支給停止についても、100分の5と規定されていました。
平成29年民法改正によって、法定利率が改正されることから、前払一時金・損害賠償と年金給付との調整利率については、100分の5 ⇒算定事由発生日における法定利率と改正されました。(令和2年4月1日施行)